もう8年ほど前のこと、一ヶ月仕事の休みを貰ってイタリアに1ヶ月間旅行に行った時の事。
友人の迎えを待っていた早朝、エンポリの駅前のバールで事件があった。
その警察官は、朝のパトロールに出るときまず最初にそのバールでコーヒーを飲んでから仕事が始まるらしい。ところが、仕事前の大切なコーヒーの味がいつもと違うと、毎日顔を合わせて親しくしているらしいバリスタに怒り始めた。
いつもどおり味のブレがないように細心の注意を払って仕事をしているバリスタにとっては、たまったもんじゃない。「いつも入荷している豆の状態を毎日確認した上で出しているんだから間違いはない。むしろお前の体調管理の問題じゃねーの!」(これは親しい間柄だから言える台詞だと思うけど・・・)
怒っている警察官といえば「朝のコーヒーが俺の一日の仕事の具合を決めるんだから、もっとちゃんとお前も仕事してくれよ!いつも同じに入れられないなら、他のバールに変えるぞ!」
ここから先はくだらない口げんかではあったけど、どちらの意見も冷静に聞いている僕にしてみると妙にどちらにも納得してしまった。
僕自身、コーヒーは嗜好品を越えて生活必需品になっていて、コーヒーを入れる事自体が、寝起きの悪い僕のアタマを活性させる為の一仕事。美味しく入ったコーヒーを飲めば、その日一日の気分が晴れやかになる。そして、食後のコーヒーも大切な存在で、ランチ後のコーヒーは気持ちを切り替えるのに必要だし、夜ご飯の〆のコーヒーは明日の活力。
だから、警察官の怒る気持ちはよく分かる。
以前、イタリアンバールで働らいていた頃、入荷される豆の状態が安定しない理由を知りたくなって、近所で生豆から焙煎しているコーヒー屋さんで、自宅のガスコンロで焙煎できるハンドロースターを購入。実際に自宅で焙煎をしてみると、同じ地方の豆でもやっぱり生もので、味の傾向は変わらずとも収穫時の出来次第でやっぱり多少の味の質の変化はある。煎り具合やその日の気候にも影響を受ける事も分かっていてその誤差を出来る限り小さくする努力は仕事でもしていたので、絡まれているバリスタの気持ちもよく分かる。
食に関わる仕事をしていてつくづく思うのは、どんなに技術があっても素材は生ものだから、素材を見る目と素材の状態に併せた調整が出来る事が作る側にとっては大切なこと(というかプロとしては当たり前のこと)。でも、その一方でそれでもそこで生まれる変化を受け入れるおおらかさも、食を楽しむためには大切な事なのかな〜と思う今日この頃・・・
今はバリスタの仕事はしてなくても、自宅で入れるコーヒーは全く妥協してませんがね♪
(こだわりすぎかな・・・・でも、僕の性分なのでしょうがない)
ちなみに、今僕が最も好きな産地は“キューバ”☆上品で優美な香りと味わいがタマリマセン♪
特に食後にキューバ産の葉巻(特にGloriaCubanaかPunchPunchPunch)と併せると至福の時間を過ごせます♪
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